先日、熊谷スポーツ文化公園付近を車で通った際、一面に広がっている麦畑が目に入りました。麦の穂が実り収穫期を迎えた今頃は、麦畑一面が黄金色になります。若葉青葉の季節の中で、ここだけ、まるで「秋」のような色合いです。この情景を「麦秋」と表現することを知ったのは約20年前のことでした。
「麦秋」という言葉を知ったことで、当たり前のように見ていた風景が少し特別なものになったように感じました。言葉を獲得することで、見えている世界が豊かになったり鮮明になったりするのかもしれません。昭和の時代を代表する作詞家・阿久悠さんは次のような言葉を残しています。多感な中学生の時に、たくさんの言葉と出会ってほしいです。
たくさんの言葉をもっていると 自分の思うことを充分に伝えられます
たくさんの言葉をもっていると 相手の考えていることを正確に理解できます。